寺山修司の世界




「振り向くな、振り向くな、後ろには夢がない」
​きっとあなたも惹かれる、その男




「もしも 海の水が全部インクなら
僕は何人にサヨナラの手紙を書くことができるだろう」

同じ人間、同じ男ならこの詩の匂いがわかると思う

僕が寺山修司という男と出会ったのは、高校三年生の時であった。
毎日、毎日、同じ太陽を見る日々は僕には、物足りなかった。
何かを表現したくて、思春期のせいか、もっと、もっと自分を肯定したかった。
当時の僕は芸術という言葉に少しずつ親しみを覚え、ゴミくずをあさる様に、本屋に行き
自分の感覚を確かめた。


時に、ポエムコーナーで、奇才寺山修司と出会う。
「ーーーーーー」
僕は彼の言葉によって胸を撃たれたのだ。

言葉一つ一つに彼の情熱、想い流れる。
 かと思うと、とてつもないセンチメンタルな言葉たち。

まるで、パズルの最後のピースがぴったりハマった様な感覚で、僕の心を掴んでいた。

一冊の詩集は、僕の小さな脳に刺激を与えた。
 詩を読むたびに、「いいぞ寺山」「いいぞ その調子だ」「もっと もっと」
胸の奥深くから、声が聞こえた。

その日から、僕は彼に惹かれる。

一番の幸せは何か、本当の愛は何か、いつか答えが見つかるまで、僕は、寺山修司という男を追い続けたい。

彼はこう言う
「たかが、言葉で作った世界を言葉で壊すことができないのか
  引き金を引け 言葉は武器だ!」
  僕は思う、今日もどこかで言葉で殺させている奴がいる。

詩っていうのは、読み方なんてなくて、君が感じるよに受け取ればいいんだよ。
 千差万別 人それぞれだもんね

彼の言葉をまた、匂いたくなった。


「木という字を一つ書きました
一本じゃかわいそうだから と思って
もう一本ならべると
林という字になりました
淋しいという字を じっと見ていると
二本の木が なぜ涙ぐんでいるのか よくわかる
ほんとに愛しはじめたときにだけ
淋しさが訪れるのです」


もしあなたに、言葉があるならば、流れ行く雲を見つめる様に
 寺山修司の世界を体感してみては、いかがでしょうか。

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